2014年6月11日水曜日

考察 フィンガーランプは有りか無しか

流行ってますよね、フィンガーランプ


今回はフィンガーランプの良い所悪い所を考察したいと思います。

まずフィンガーランプの役目というのは皆さんご存知の通り、ボディと弦の距離を短くし、単純に弾き易くしたり、楽に速いピッキングが出来る様になるというメリットがあります。

僕も昔Bossaのベースを使ってた頃はランプを装着してました。

2007年 とんぼりワッショイというイベントでの演奏風景

当時、フィンガーランプという存在を知った時に手持ちのベースに紙を立体的な正方形になるよう成形し、その中にティッシュを詰めてなんちゃってランプを試した事がありますが、その時には「めちゃくちゃ弾き易いやん!!」と感動した記憶があります。
もうこれはちゃんとランプを付けるしか無い!と思って装着しました。

しかし現在愛用中のベースには装着していません
まぁ流行ってるから嫌とか、皆付けてるから嫌という理由もありますが(笑)最大の理由としてタッチのコントロールがし難いというのが挙げられます。

僕はジラウドの福田さんが提唱する「縦振動のタッチ」を間近で教わって以来、それに衝撃を受けて今ではなかなかレベルの低いものではあると思いますが(笑)「ポクゥ〜ン」と言うアタック音が音の始まりについてコンプがかかったかのような音が出せるようになりました。
一応、パッシブ・アクティブ問わず、それなりの音圧が出せるようになったと思ってます。
で、この縦振動のタッチというのは力を入れないタッチではあるものの、力は入ってるのです。
弓矢を意識した感じ弦を指でしっかりと捉えてフレットに触れる限界まで押し込んで一気に離します
この一連の流れは骨格、筋肉の作りによって力の量や角度等は一概には言えません。
ただ僕の場合は弦を指で捉えて押し込む時にある程度の距離が必要なのです。
そうなってくるとランプの存在が逆に邪魔になります。

ではランプを付けた状態で太い音、音圧のある音を出すにはどうすれば良いか。
それはかなりエゲつないレベルの高度なタッチの技術が必要になってくると思います。
かなり昔、某楽器店の方から「ハンドルを1mm動かすだけで方向がかなり変わるスーパーカーを運転するレーサーと同等な技術が必要」と聞いた事があります。
弦とボディの距離がランプによって狭められてる分、その数ミリといった短いリーチで弦を縦方向に振動させるには、まず基軸となる指の関節は第一なのか第二なのか、どの関節に重きを置くのか、という課題からその関節のコントロール技術やスピードを一定に保つ事が出来る言わば神がかってるテクニックが必要になってくると思います。

そんなハイレベルなテクニックは僕には出来ないし、と言うか自分の身体の作りや力を入れ易い方向等を考えるとランプを付けずに指の面積をたっぷりと使い、弦を捉え、一定のスピードで引き離す奏法の方が僕は向いてます。

なもんでランプは付けません。

僕の知る限り、フィンガーランプを付け、神がかってるタッチの技術を持ち、それらを完璧にコントロール出来るのは日本だと前田久史さんぐらいでは無いかと思います。
前田さんは現在ESPのベースにフィンガーランプを装着してらっしゃいますが、その音は強烈です。
そんなランプつけてそんな太い音出せるんですか!?と驚く程です。

海外だとゲイリーウィルスとかかな。
かなり昔、ゲイリーのセミナーを見に行った事があるのですがもう全く右手に力が入ってないように見えました。
左手のタッチに関してはバズが出るか出ないかぐらいの力で良い、とも仰ってました。
脱力を極めた人だと思います。

こればっかりは各々の指の骨の作り、筋肉の付き方ややり易い角度などはバラバラだと思うので本当一概には言えない話です。
しかし、ただ流行ってるから付けてるとか好きなベーシストが付けてるから、という理由で装着してる方でこれから本気でベースに取り組んだり、プロを目指したいと思ってる10代、20代の若い世代の方々は是非今一度、自身の奏法を見直して欲しいと思います。
本当に自分の身体の作りにはランプが適合してるのか、今出してる音は例え爆音のバンドの中に行っても聞こえる音なのか、ブースターやコンプを使わずにシールド1本で図太く音圧のある音が出せてるか、見直してみてはいかがでしょうか。

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